
当院ではガデリウス社の光治療器エリプスフレックス(I2PL+)を導入しています。
エリプスフレックスとは、Intensed Dual Pulse Light(I2PL:アイ・ツー・ピー・エル)のことで、光治療装置の分野で世界をリードするエリプス社(デンマーク)が開発し、ガデリウス社(スエーデン)が販売している次世代の光治療器です。Dual Mode Filtering Systemの搭載によって火傷の原因となる波長域がカットされ、肌の負担も大幅に減少されました。エネルギーを安定した出力に制御できることから安全性と有効率が高まっております。当院では、バージョンアップされた最新モデルのI2PL+(プラス)を導入しております。I2PL+(アイ・ツー・ピー・エル・プラス)のフラッシュランプを肌に照射することで様々な皮膚治療(シミ、そばかす、血管の拡張、赤ら顔、レジュビネーション)や脱毛を行うことができます。波長域を広く照射出来るので、レーザーの単一波長と違い、しみ・血管拡張症など茶色の病変部と赤色の病変部が混ざっているケースにも効果があります。特にフォト・レジュビネーション(若返り)での優れた効果が評価されています。照射後のコラーゲン生成が2倍になったというデータもあります。当院では、光の波長が異なる治療用アプリケータを全種類(3種類)そろえております。また施術は院長が責任をもって行いますので、ご安心下さい。
3種類のアプリケータの波長域と効果を下記に表示します。
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アプリケータの波長域 |
効果 |
VL-2 |
555~950nm |
シミ、赤ら顔の治療、肌の若返り |
PR |
530~750nm |
血管性病変の治療、ニキビ、より強いコラーゲン増生を望む場合はPRを使用します |
HR |
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脱毛専用 |
波長域の特性から、VL-2は多くの人に対して、より安全な治療が行えます。シミの多い方や、色黒の方や肝班のある方はVL-2を主として使用します。
血管性病変の治療やより強いコラーゲン増生を望む場合はPRを使用します。 I2PLの特徴はアプリケータに付いているアタッチメントの幅と長さが大きいので、1回の照射で広い範囲の病変を一気に治療できることです。
例えば顔全体にあるシミを照射するのに数分しかかかりません。I2PLの光に反応したシミは照射直後から翌日にかけて黒色の細かいかさぶたになって、浮き上がり、照射後10日くらいまでには脱落します。自分でかさぶたを剥がすと出血したり、色素沈着を起こす可能性があるので、自然に剥がれるまで、放っておくことが重要です。利点としてはレーザー治療後に見られる副反応(シミ治療後:赤みや炎症反後色素沈着、血管性)、治療当日からお化粧が出来ます。欠点としては改善の程度に個人差があること、繰り返し治療が必要な場合が多いこと(通常3~4週間間隔で、3~4回の施術が必要)、シミが薄くなるが、完全になくならない場合もあること、深いシミや血管病変には効果がないこと(この場合はレーザーが必要です。当院ではデュアルイエローレーザーを使用します)などがあります。
シミや血管の拡張や赤ら顔の治療以外にも、I2PLは顔全体に安心して照射できるので、顔のくすみの除去、肌の全体的な透明感の上昇のようなフォトレジュビネーション(肌の若返り)が出来ることが最大の特徴です(レーザー治療は基本的に局所の皮膚病変治療です)。たとえシミが少し残っても、顔が全体的にきれいになるのが、最も重要なことなのです。
ヒアルロン酸やボトックスなど人工的な製剤の注射に不安や抵抗のある方はI2PLの継続的な施行をぜひお勧めいたしますのでご相談下さい。
また脱毛用のHRアプリケータを使用すれば、下腿など広範囲の脱毛も非常に短時間で効率よく施行出来ます。特に両脇やビキニラインの脱毛は、ワンショットごとに毛が抜け落ちるのを患者さん自身が確認でき、脱毛した部位の美白効果もあるので、非常に好評です。
当院ではノルセリド社のデュアルイエローレーザー(DY-L:カッパーブロマイド(銅蒸気)使用)を導入しており茶色(シミなどに適応:green(G)と呼ばれ511nmに吸収ピークを持つ)と赤色(血管拡張や赤ら顔などに適応:yellow(Y)と呼ばれ578nmの波長に吸収ピークを持ち、ヘモグロビンの吸収ピークと完全に一致している)の両方の色素に対応でき、これらの波長を色々な割合で組み合わせることで、いろいろな表在性の皮膚色素性病変に対応できます(シミでも血管拡張でもあから顔でも、それらがすべて混ざっていても対応可能です。
例として G30Y : 511nm(green(G))を70% + 578nm(yellow(Y))を30%
Y10G : 511nm(green(G))を10% + 578nm(yellow(Y))を90%
またデュアルイエローレーザーはモードを変えることにより、上記の色素病変のみでなく、ホクロやイボなどの隆起病変の治療も可能です。I2PL+で対応できなかったシミや血管拡張や赤ら顔の治療も可能です。また一般的にレーザー治療の適応とならない肝班でも、上記のY10Gを用いれば割と安全に治療が出来ます。
当院ではエリプスフレックス光治療器やDYレーザーのみならずケミカルピーリングやハイドロキノンも併用してシミ・美白治療に対応しています。
- 肝斑について
- 肝斑とは、頬やこめかみに左右対称に広がるもやっとした地図状にあらわれるシミです。
女性特有の色素沈着でその原因は未だはっきりしませんが、従来のレーザー照射(デュアルイエローレーザーのgreen(G)の波長に当たる)では、肝斑のメラノサイトを刺激して、メラニンの合成を促進しシミがますます濃くなってしまうので、禁忌とされてきました。肝斑をダーモスコープで拡大してみると毛細血管の拡張が見られ、また止血剤のトランサミンが奏功することなどから、これらの血管が肝斑の栄養血管になっているのではないかと推測されていました。したがってこの毛細血管を閉塞させることが出来れば肝斑を薄く出来るのではないかと考えられるようになりました。デュアルイエローレーザーのyellow(Y)の波長を主として照射し、血管内のヘモグロビンに反応させることにより、発生した熱で血液を擬固させ、血管閉塞をさせることにより、肝斑への栄養を遮断し、肝斑を薄くさせることが出来ると考えられます。
デュアルイエローレーザーのgreen(G)とyellow(Y)を1:9の割合で照射するY10Gが肝斑治療にお勧めと考えますので、ご相談下さい(完全に消失しない場合もある)。