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愛知県弥富市にある高村メディカルクリニック|泌尿器科、内科、皮膚科、美容皮膚科

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前立腺肥大症

前立腺は、元々精液の一部を作る臓器であり、下図のごとく膀胱のすぐ下で、膀胱から続く尿道を取り巻くように存在します。大きく内線と外線に分かれます。前立腺肥大症は尿道に接する内線から出る良性腫瘍で、軽度の腫大でも尿道を圧迫しやすい位置にあります。一方前立腺癌は主に外線から出現する悪性腫瘍です。

(上記図表は旭化成ファーマ提供)

年齢・性別

50歳以上の男性(女性には前立腺はないので、前立腺肥大症はない)に出現する。
年齢と共に肥大症の割合が増加します。

症状

症状としては、下記のごとく畜尿症状と排尿症状があります。

畜尿症状
夜間頻尿(夜2回以上起きる)、尿意切迫感(急に起こる抑えられない強い尿意)など
排尿症状
尿の勢いが悪い、排尿開始までに時間がかかる、尿線が途切れる、お腹に力を入れないと尿が出ない。

原因

前立腺の内側が腫大することにより膀胱や尿道を圧迫することで症状が出ます。

(上記図表は旭化成ファーマ提供)

外来受診時の検査

まず国際前立腺症状スコア(IPSS)とQOLスコアを行い症状の強さを見ます。
これは数字(IPSS:0~35点 QOL:0~6点)が大きいほど症状が重いことを意味しています。(皆さんも一度やってみて下さい)

(上記図表は旭化成ファーマ提供)

腹部超音波検査(エコー)
前立腺の大きさや残尿(排尿後どれくらい尿が残るかをみる検査です。正常では残尿はありません)を測定します。
尿の出が悪いと残尿が残り水腎症になっていることがあるので、必ず腎臓の評価も行います。
膀胱癌や膀胱結石の合併の有無を確かめます。
(上記図表は旭化成ファーマ提供)
尿波形
尿の勢いを見ます
(上記図表は旭化成ファーマ提供)
尿検査
尿路感染症(尿に菌が混ざる状態)の有無を見ます
採血
腎機能の評価(Cr, eGFR) 水腎症で腎機能が悪くなっているといけないので必ず行う)
前立腺特異高原(PSA) 前立腺癌の合併があるといけないので、必ずチェックが必要です
(上記図表は旭化成ファーマ提供)
直腸指診
肛門から指を挿入して前立腺を触ります(進行性の前立腺癌のチェックに必要)
(上記図表は旭化成ファーマ提供)
膀胱内圧測定
膀胱の機能を見る検査(必ずしも必要でない:膀胱機能が悪いと前立腺肥大症と同じような症状が出現する)

治療

治療法は下記の3種類がります。症状の強さ、残尿の量、腎臓への影響などを総合して決めます。
薬物療法、低侵襲療法、手術療法などがあります。

1) 薬物療法
  • α1ブロッカー
    作用としては膀胱頚部・前立腺の平滑筋を弛緩させ尿道の抵抗減らしして排尿障害を改善させます。
    ハルナール(タムスロシン)、フリパス(ナフトピジル)、ユリーフ(シロドシン)
    の3剤があります(ジェネリック薬品があるものあり)
  • 抗アンドロゲン剤
    作用としては前立腺の容積を縮小させることにより排尿障害を改善させます。
    アボルブ(デュタステリド)(男性型脱毛症治療薬のザガーロと同じ成分)
  • PDE5阻害剤
    作用としてはα1阻害剤と同様、膀胱頚部・前立腺の平滑筋を弛緩させ尿道の抵抗減らして排尿障害を改善させます。
    ザルディア(タダラフィル)(勃起機能改善薬のシアリスと同成分で、勃起機能を改善します)
  • 漢方薬
    八味地黄丸、牛車腎気丸、猪苓湯、清心蓮子飲
上記薬剤を組み合わせて使用します。
2) 低侵襲手術
経尿道的レーザー手術(出血が少ない)
  • ホルミウムレーザーを用いて前立腺を核出します(HoLEP)

     (上記図表は旭化成ファーマ提供)
  • KTPレーザーを用いて前立腺を蒸散します(PVP)
3)手術療法
  • 電気を用いて前立腺をけずります(経尿道的前立腺切除術:TUR-P)

     (上記図表は旭化成ファーマ提供)
  • 開腹の前立腺切除術

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前立腺癌

前立腺癌は、高齢男性(50歳以上)に多い病気で、進行が比較的ゆっくりで、初期には無症状のことが多いようです。欧米諸国では、非常に多く見られる癌で(アメリカでは、男性癌の罹患数第1位、死亡数第2位)、日本でも非常に増加しており、2020年には、罹患数で男性癌の第1位になると思われます。前立腺癌が増加している理由としては、社会の高齢化、食生活の欧米化、診断法の進歩(腫瘍マーカーであるPSAの普及)が考えらます。

年齢・性別

50歳以上の男性(女性には前立腺はないので、前立腺癌はありません)

前立腺癌の危険因子

  • 年齢(高齢化)
  • 遺伝・家系(家族に前立腺癌の方がいる方はいない方と比べて2~3倍発生頻度が増大します)
  • 人種(黒人が最も多く、白人が次に多く、アジア系は少ない)
  • 食の欧米化(脂肪の多い食事、緑黄色野菜の不足)

症状

前立腺癌は前立腺の外側から発生する(前立腺肥大症は前立腺の内側から発生する)、したがってかなり大きくならないと尿道を圧迫しないので、初期は無症状のことが多いようです。
しかし病気が進行すると前立腺肥大症と同じような排尿障害が出現します。尿や精液に血が混ざることもあります。また前立腺癌は骨に転移しやすいので、腰痛や四肢痛がみられるようになります。

外来受診時の検査

前立腺癌の初期は無症状のため、症状は診断の決め手にはなりません。そこでまず採血してPSA(前立腺特異抗原)を測定します。
50歳を超えたら腫瘍マーカーであるPSA検査を受けましょう(市町村で施行する前立腺癌検診もこのPSAを測定します)。
(直腸指診や超音波検査が、診断の助けとなる場合があります)
PSA高値(4以上)の場合は、確定診断として前立腺針生検(針を12か所前後前立腺に刺して組織を採集する検査)を行うことになります。
前立腺針生検で癌が出た場合は、転移の有無の確定のためCT(リンパ節や他臓器への転移を調べる)や骨シンチ(骨への転移を調べる)を行う必要があります。

治療

1) 前立腺癌が前立腺だけに限局しており、他に転移していない状況
  • 手術
    前立腺全摘術(最近はロボット支援手術(ダヴィンチ)が多いようです)
  • 放射線療法
    外照射:放射線がなるべく前立腺のみに照射されるように工夫した(強度変調放射線治療(IMRT))が最もよく用いられます(他臓器の放射線被ばくが少ない)
    内照射:カプセルに密封された放射性の小線源(ヨウ素125)を前立腺に穿刺針を用いて埋め込み、前立腺の内側から放射線を照射して癌細胞を死滅させる治療法です(直腸など周辺臓器の放射線障害を最小限にします)
2) 前立腺癌がリンパ節や骨やその他の臓器に転移している場合
  • 去勢術(両側精巣を外科的に切除し、男性ホルモンを減少させる方法
    精神的苦痛などがあるため現在は、ほとんど行われていません)
  • 内分泌療法(ホルモン療法)
    前立腺癌は、基本的に男性ホルモンによって増殖しますので、体の中の男性ホルモンを減らすことにより癌を縮小さることが出来ます。
    〇内分泌療法の種類
      ①LH-RHアゴニスト(リュープリン、ゾラデックス)、LH-RHアンタゴニスト(ゴナックス)
      ②抗男性ホルモン剤(ビカルタミド、フルタミド)
       女性ホルモン剤(プロセキソール、エストラサイト(女性ホルモンと
       ナイトロジェンマスタードの合剤))
      ①と②から1剤ずつ選んで組み合わせで使用する場合が多いようです
    〇内分泌療法の特徴
      多くの患者さんに有用
      身体への負担が少ない
    〇内分泌療法の適応
      進行期・転移期を中心に幅広く用いることが出来ます。
      手術や放射線治療の前後に組み合わせることも出来ます
     
  • その他の療法
    上記内分泌療法で効果がなくなった場合(治療にも関わらず腫瘍マーカーのPSAが上昇する場合や痛みなどの臨床症状が悪化する場合など)は去勢抵抗性前立腺癌といわれます。
    その場合は新規の抗男性ホルモン剤(アビラテロン、エンザルタミド)や抗がん剤(ドセタキセル、カバジタキセル)が用いらます。

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過活動膀胱

急に我慢できないような尿意(尿意切迫感)が起こる状態を過活動膀胱(OAB)と言います。
頻尿や尿漏れなどを伴う場合があります。
40歳以上の男女の8人に1人が過活動膀胱の症状を持っていることが最近の調査で分かってきています。
過活動膀胱の頻度は男女とも年齢の増加とともに上昇します。

原因

神経性
脳や脊髄・脊椎の疾患で膀胱を支配する神経に影響を与えることによって発生します。
非神経性
前立腺肥大症や尿路感染(膀胱炎など)や加齢による膀胱の機能異常などによって発生します。

過活動膀胱(OAB)スクリーニング質問票

  • 尿をする回数が多い
  • 急に尿がしたくなって、我慢が困難なことがある。
  • 我慢できずに尿を漏らすことがある。

上記の症状が1つ以上ある人は過活動膀胱の可能性があります。

上記で過活動膀胱の可能性のある方は下記の過活動膀胱症状質問表(OABSS) をやって点数をつけて下さい。

診断基準
質問3の尿意切迫感スコアが2点以上で、かつ合計点が3点以上の場合過活動膀胱と診断します。
重症度判定
  • 合計スコア 3~5点    軽症
  •       6~11点    中等症
  •       12点以上   重症
  質問内容 回答 点数
質問1 朝起きた時から夜寝るまでに、何回くらい尿をしましたか? 7回以下
8~14回
15回以上
0
1
2
質問2 夜寝てから朝起きるまでに、何回くらい尿するために起きましたか? 0回
1回
2回
3回以上
0
1
2
3
質問3

急に尿がしたくなり、我慢が難しいことがありましたか?

なし
週に1回より少ない
週に1回以上
1日1回くらい
1日2~4回
1日5回以上
0
1
2
3
4
5
質問4

急に尿がしたくなり、我慢できずに尿を漏らすことがありましたか?

なし
週に1回より少ない
週に1回以上
1日1回くらい
1日2~4回
1日5回以上
0
1
2
3
4
5

過活動膀胱と同じような症状を呈する疾患(鑑別しなければならない疾患)

  • 膀胱の異常  膀胱癌、膀胱結石、間質性膀胱炎(膀胱痛症候群)
  • 膀胱周囲の異常  子宮内膜症
  • 前立腺・尿道の異常  前立腺肥大症、前立腺炎、尿道結石
  • 尿路感染 細菌性膀胱炎、尿道炎、前立腺炎
  • その他 多尿、心因性頻尿

上記の病気を鑑別するために必要な検査

  • 問診
  • 排尿日誌(多尿の鑑別)
  • 腹部超音波検査・CT(膀胱結石、尿管結石、膀胱癌、子宮内膜症などの鑑別)
  • 膀胱鏡(膀胱癌、膀胱結石、間質性膀胱炎の鑑別
  • PSA検査(前立腺癌の鑑別)

過活動膀胱の頻尿多尿は治療法が違うので、鑑別が必要です。

多尿は水分摂取量が多いか、または利尿剤の使用などで起こきます
排尿日誌(排尿の時間とその時の尿量を1~3日すべて記載したもの)を見れば、過活動膀胱の頻尿であるのか多尿かは、概ね鑑別がつきます
(多尿とは1日の尿量が40ml/kg以上の場合をいう)

過活動膀胱の治療

  • 行動療法(生活指導、膀胱訓練、理学療法、排せつ介助)
  • 電気刺激法(膀胱・尿道を支配する神経を刺激して、神経機能の調整を図る)
  • 薬物療法(過活動膀胱の治療の根幹をなすもの)
    抗コリン剤とβ-3刺激剤があります。
    抗コリン剤(副作用として便秘や口渇感が起きやすい)
      オキシブチニン(ネオキシテープ(貼り薬、飲み薬ではないので便秘や口渇感があまり起きません))
      プロピベリン(バップフォ
      トルテロジン(デトルシトール
      フェソテロジン(トビエース
      イミダフェナシン(ウリトス・ステープラ)
      ソリフェナシン(ベシケア
    β-3刺激剤
      ミラベグロン(ベタニス
    ※()内の赤文字は商品名を示します 

前立腺肥大症で過活動膀胱様の症状を合併する男性は、前立腺肥大症の薬と上記の薬を併用する場合があります。

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夜尿症

夜尿症は、(1)膀胱容量が小さい膀胱型、(2)夜間尿量の多い夜尿型、(3)膀胱型と夜尿型の両方がある混合型に分類されます。

夜尿症の治療

(1) 膀胱型
膀胱容量が小さいため夜尿が起こる状態です。膀胱容量を大きくするような生活指導をします。具体的には 昼間どんどん飲んで、おしっこを出来るだけガマンさせます。毎回やらなくても、 1 日 1 回でよいので、ギリギリまで尿をこらえるように指導します。
生活指導を 2 ヵ月くらいして、それでよくならなければ、抗うつ剤や抗コリン剤を処方します。
(2) 多尿型
下垂体後葉ホルモンである抗利尿ホルモンの分泌が少ないため夜間尿量が多くなり夜尿になる状態です。したがって夜間尿量を少なくなるような生活指導をします。具体的には夕方 4 、 5 時以降は水分を控えるようにし、夕食時も、からいものや麺類、お吸いもの、くだものは控えさせますが、朝・昼は、いくらでも飲んでよいと指導します。それが大事な基本になります。生活指導を 2 ヵ月くらい行い、それでよくならなければ、抗利尿ホルモン剤を処方します。
(3) 混合型
膀胱型と多尿型の混合したタイプです。 混合型の場合は多尿型と膀胱型の両方を合わせた指導及び治療を行います。

夜尿症の頻度

生まれてすぐの赤ちゃんは毎日おねしょ(夜尿)をしますが、その割合は年とともに減っていきます。2歳児ではその1/2が、3歳児では1/3が、4歳児では1/4のお子さまがおねしょ(夜尿)をしています。5、6歳で約15%、小学校低学年で約10%、小学校高学年で約5%におねしょ(夜尿)みられます。12歳ぐらいになるとその多くは消失しますが、成人になってもおねしょ(夜尿)がみられる場合があります。

夜間尿量

夜間尿量は次のように測ります。

  • まず寝る直前にトイレへ行きます。
  • 次に(a)オシメの重量を測り 、オシメをして寝ます。
  • 朝起きたら(b)オシメの重量を測ります。
  • すぐにトイレに行き尿をして、(c)尿の重量を測ります。
  • (b)-(a)+(c) が夜間尿量になります。

下記の数値を参考にお子さんの夜間尿量が多くないか判定して下さい。

正常な夜間尿量
  • 小学校1~3年    200ml 以下
  • 小学校4年以上   250ml 以下
膀胱容量

学校から帰って、家で尿を我慢させ、我慢できなくなったら尿をさせます。 この量が膀胱容量にあたります。下記の数値を参考にお子さんの膀胱容量が小さくないか判定して下さい。

正常な膀胱容量
  • 小学校1年      150ml 以上
  • 小学校2年      200ml 以上
  • 小学校3年以降    250ml 以上

夜尿症の多くは自然軽快していくことが多く、また夜尿が身体に悪影響を及ぼすものでないことから、とかく放置されることが多い病気です。
しかし、夜尿が学童期まで持続している場合には、夜尿をしていることでお子さまが自信を喪失し(例えば修学旅行で夜に尿を漏らして恥をかくなど)、心理面、社会面、生活面に様々な影響を与えることがあります。このような影響は、ストレスとなって夜尿の消失時期を遅らせる要因ともなるため、年齢や夜尿回数を参考にしながら、積極的に医療機関で治療することをお勧めします。

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無症候性の肉眼的血尿(痛みがないのに尿が赤い)

  • 膀胱癌
  • 尿路結石(強い痛みを伴ったりする場合が多いですが、まったく症状のない場合もあります)
  • 前立腺癌(主に50歳以上の男性)
  • 腎盂尿管癌
  • 腎癌
  • ナットクラッカー症候群
  • 特発性腎出血

1~5が代表的疾患です。

診断は超音波、CT・MRI・膀胱鏡などで、それぞれ下記のごとく行います。
1.膀胱癌については超音波や膀胱鏡など(当院では痛みの少ない軟性膀胱鏡を使用)で診断します。
2.尿路結石については超音波やCTなどで診断します。
3.前立腺癌についてはPSA(前立腺特異抗原、採血で行う)や直腸指診で異常所見があれば、前立腺生検で確定診断します。
4・5.腎盂尿管癌と腎癌はCT・MRI・尿路造影などで診断します。
6.左腎静脈が上腸間膜動脈と腹部大動脈で挟まれることで、還流障害がおき左腎内圧が上昇して血尿の状態になります。
6.CT・MRI・膀胱鏡を施行しても肉眼的血尿の原因がわからないもの。

膀胱癌

膀胱癌は、膀胱内腔に出きる腫瘍で、乳頭状から結節状までさまざまですが、乳頭状の腫瘍が最も多いようです。(右図) 膀胱癌の治療は癌の根の深さ(深達度)、顔つき(細胞学的異型度)などを参考にして決められます。根が浅い場合(Ta~T1)は内視鏡的に癌を削り取る経尿道的膀胱腫瘍切除(TUR-Bt)が行われます。

再発が多いため、再発予防のため、治療後に膀胱内に抗癌剤を注入する場合もあります。


根が深い場合(T2~T3b)は、まず内視鏡的に一部だけとって、癌の性質を調べます。癌の根が深く、顔つきが悪い場合には、膀胱を全部取る手術(膀胱全摘除)が主として行われます。癌の部位と範囲が狭い場合は、副作用の少ない低用量の抗がん剤/放射線治療と膀胱部分切除(膀胱の一部のみを取る)を組み合わせた治療を行うこともあります。

膀胱全摘術を施行した場合、膀胱がなくなりますので、新たに尿の通り道や出口を作る手術が必要です。腸の一部を使っておなかに尿の出口を作る手術(回腸導管造設術)や、腸を使って膀胱の代わりの袋を作り尿道につなぐ手術(回腸新膀胱など)を行います。回腸導管では尿の出口に専用の袋をつける必要がありますが、回腸新膀胱では尿道から排尿できますのでお腹に袋をつける必要はありません。どちらの手術も患者さんの状態によってできない場合は、尿管を直接皮膚に固定する。尿管皮膚瘻術を施行します。

それぞれ一長一短があり、どれが適切かは病状によりますので担当医師と相談が必要です。さらに根が深かったり、転移がある場合は、膀胱全摘除もできず、抗癌剤のみの治療になる場合もあります。

尿路結石

尿路結石は腎盂内の腎杯という所に出来ます。その後尿流に乗り尿路(腎盂、尿管、膀胱)の色々な部位に移動します。尿管結石の場合は、わき腹や背中に激痛が出現する場合が多いようですが、血尿のみでまったく無症状で経過する方もいます。
結石の大きさが小さい場合は自然に尿管内を移動して排尿とともに排出されますが、大きい場合は尿管を塞いでしまい、腎臓で尿が作られるにつれ腎臓から結石の位置までの圧力が高まってゆき激痛が発生します。日本で1995年に発表された全国規模の調査によると、日本人の男性約11人に1人、女性26人に1人が一生に一度は尿路結石に罹患するとされています。男性の発症率は女性の発症率の約2倍で、好発年齢は30代で、青年期から壮年期にかけての人に発症する率が高く、子供では稀であるようです。

尿路結石の治療
  • 経過観察
    5mm以下の小さな結石は、自排が期待されるので経過を見ます。
    5~10mmの結石は自排する場合があるので、経過を見ますが、自排しない場合は以下の方法を選択する必要があります。
  • 体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
    体外の装置によって造られた衝撃波(音波の一種)を結石にむけて集中させて結石を砕き、砂状にして尿と一緒に体外へと排出させる治療法です。最も一般的に行われている治療法で、傷などもなく侵襲も低いようですが、大きな結石や多発する結石の場合は、慎重に適応を考えなければなりません。
  • 経尿道的結石破砕術(TUL)
    全身麻酔または脊椎麻酔下にて、尿管口から結石の直下までのワイヤーを留置し、そのワイヤーに沿って尿管鏡を挿入し、尿管鏡で結石を確認しながら、鉗子・衝撃波・レーザーなどを用いて細かく破砕する治療法です。結石が尿管に嵌頓している場合で体外衝撃波結石破砕術にて、破砕されない場合が、良い適応となります。最近は尿管の軟性ファーバースコープを用いて結石を破砕する場合が多く、より操作が容易になりました。
  • 経皮的結石破砕術
    全身麻酔または脊椎麻酔下で、背中から腎臓に穴をあけて、内視鏡を挿入し結石を破砕する方法です。結石が大きく、腎盂や腎杯や上部尿管にある時に行います。
  • 手術療法
    体外衝撃波結石破砕術登場以後は、その件数は激減しており、ほとんど施行されないようです。

腎盂尿管癌

腎盂・尿管を上部尿路、膀胱・尿道を下部尿路と呼びます。 尿路の粘膜は、ほぼ全体が移行上皮という同一の上皮で覆われています。その腎盂や尿管に出来る癌を腎盂・尿管癌と言います。

腎盂・尿管癌の治療
転移のない症例であれば基本的に手術を行います。手術は癌のある側の腎臓及び尿管をすべて摘除し、 さらに膀胱に開く尿管の出口も膀胱壁とともに切除します(腎盂尿管全摘除術+膀胱部分切除術)。浸潤性の癌であれば化学療法を追加する場合もあります。

腎癌

腎臓の尿細管から発生する癌が腎癌であす。腎癌には、特徴的な症状はなく、そのため小さいうちに発見される腎癌は、検診や、ほかの病気のための精密検査でたまたま見つかるなど、偶然に発見されるものがほとんどです。この状態なら腎臓を手術で除去することにより、治療できます(最近は体に負担のかからない腹腔鏡による手術が主に行なわれているようです)。腫瘍が大きくなるにつれて血尿が出たり、腹部のしこりに気が付いたりする場合もあります。更に進行すると癌が全身へ転移して、食欲不振、体重減少、貧血、発熱といった全身症状があらわれます。この様な場合は手術の適応はなく、分子標的薬を含めた薬物療法が治療の中心になります。さらに、腎細胞癌が造血作用のある物質などを作るために、赤血球増多症、高血圧や高カルシウム血症が起こることもあります。

また、骨転移による骨折や、脳転移によるけいれん、肺転移による肺の腫瘤といった、ほかの臓器へ転移したものが先に発見され、精密検査の結果として腎癌が見つかることも少なくありません。

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